物件損傷リスクを最小限に抑えるための金庫の運び方
金庫の移動につきまとう物件損傷のリスク
金庫の移動につきまとう物件損傷のリスクは、金庫の運び方で最小限に抑えることが重要です。
金庫は重量が数十kgは当たり前ですし、耐火金庫ともなれば50kgオーバーも珍しくありません。
大型ともなると100kgをゆうに超えるので、金庫の移動には細心の注意が必要不可欠です。大人一人分もの重さがある金庫を運ぶときは、移動ルートの確保と養生がポイントになります。
運ぶ人数が多いほど、一人あたりの負担が楽になるので、基本的には複数人で運びます。しかし人数が増えると狭い場所では作業しにくいことから、一定以上の広さが必要です。
廊下や階段を通る場合は特に、広い場所の確保と養生の重要性が高くなります。移動できる物の退避を前提として、金庫をぶつけそうな箇所の養生を行う必要があります。
養生はクッション性のある、厚みのある資材をおすすめします。養生の対象は出入り口のドアや曲がり角、また床も含まれます。
段差部分に引っかかり、物件損傷を引き起こすリスクがあるので、段差部分を含めて養生することが重要です。床の状態によっては、金庫を置くだけで物件損傷する恐れがあります。
特に古い建物は床が弱っていることが珍しくなく、重みに耐えきれずにへこんだり、割れることがあるので注意です。設置場所の耐荷重の確認と、必要に応じた補強は当然として、移動ルート上の耐荷重も欠かせません。
耐荷重に懸念がある箇所を通るときは、重量を分散する対策が必要です。金属板を置いてその上を通るようにすると、金庫の重みが分散されて物件損傷のリスクが抑えられます。
平面的な場所を水平に移動する場合は、台車を使うと金庫の移動が便利です。台車は耐荷重が重要になりますが、人力で持ち上げて運ぶ際のリスクを避けることができます。
床の上を滑らせる方法も、金庫の移動に活用できるアイデアです。床を傷つけないように養生が不可欠ですが、金属板を敷いて滑らせるようにすれば、養生と楽な移動が実現します。
リスクが高くなるのは、クレーンなどで吊り上げて搬入、搬出する場合
金庫の移動で物件損傷のリスクが高くなるのは、クレーンなどで吊り上げて搬入、搬出する場合です。玄関ドアなどの入り口から入らない、廊下や階段を通るのが難しいときなどに選択する方法です。
厳重な養生が欠かせませんし、なにより細心の注意を払いながらの吊り上げ搬入や搬出が必要になります。急いで吊り上げようとすると揺れて隣家に接触する恐れがあるので、チームが連携しながらゆっくり確実に吊り上げて搬入、搬出することが大切です。